株式会社GiFFT
代表取締役
出口 顕哉
さん
鹿児島市ではクリエイティブ人材の誘致に力を入れています。
この企業インタビューでは、鹿児島への移住をお考えいただいたり、関心を持っていただいているクリエイターの皆様に、「働く街」としての本市のクリエイティブシーンの一端を知っていただくため、鹿児島市に拠点を置くクリエイティブ関連の企業に、事業内容や自社の魅力、鹿児島市ならではのやりがいについてお話を伺いました。
また、2025年2月には従来の観光型の移住体験に加え、地域企業でのクリエイティブワーク(付加価値を創造する業務)を通して「働く街」としての鹿児島を体感していただくことで、関係人口の創出を目指す『クリエイティブジョブケーション かごしまお試し移住プログラム』を企画しています。
「住む街」としての生活環境に加え、地域企業とのクリエイティブワークを通して「働く街」としての鹿児島を体感していただける企画ですので、
本インタビューを『かごしまお試し移住プログラム』へ応募する際の参考にもご活用ください。
Q.「株式会社GiFFT」は、どのような会社ですか?
主に企業向けのIT支援やDX推進、アプリ開発などを手がけています。ITといっても、比較的幅広い業務に対応していて、「IDやパスワードが分からなくなった」「Wi-Fiが遅い」といった身近なお困りごとからスタートすることもあります。ただ、入口は簡単なものにみえても、紐解いていくと色々な根深い課題が潜んでいることも多いので、その課題を洗い出して、解決に向けた伴走支援を行っています。
物事を解決するための手段であるITをどのように活用していくのか、これは企業の担当者だけではなく、上層部の意識も変えていく必要があるので、経営コンサルに近い部分もあるかもしれませんね。
最近は、生成AIの導入支援にも力を入れています。若い方はChatGPTなどに馴染みがある方も多いかもしれませんが、企業の社員の年齢層も様々なので全体の割合からしたらまだまだ馴染みのない方も多いです。全国的にも人材不足が叫ばれている今、「人でしかできないことは人が対応し、AIにできることはどんどんAIにさせましょう」という考え方で取り組んでいるところです。
Q.会社設立の経緯を教えてください。
弊社はインターネットプロバイダーの㈱シナプスのグループ企業で、あたらしい収益を創り出すためにベンチャーとして設立した会社です。
『GiFFT』という会社名には「ITで未来につながる社会の贈り物を創り出す」というメッセージが込められています。Gは「Growth(=成長)」、iは「Innovation(=技術革新)」、Fは「Future(=未来)」、Fは「Facilitation(=円滑化)」、そして最後のTは「Telecommunication(=電気通信)」。 なぜ「i」だけ小文字なのかというと、イノベーションがこの中で一番大事な要素だと考えているからです。
そして頭についているマークはプレゼントのリボンを表現していて、右側のリボンは角度も物を投げたとき一番遠くに飛ばせると言われている40度でデザインされています。「遠くにもっと伸びるように、進化していけるように」という願いを込めました。
私自身は長崎県出身で鹿児島大学への進学を機に鹿児島に住み始め、大学を卒業して㈱シナプスの前身である㈱グッドコミュニケーションズに就職してから、実は9個もの職種を経験しました。サーバールームの管理をするエンジニアや、営業、サービスの企画、コールセンターの管理など、面白いところだと、新規事業開発に携わる部署で色々な方と繋がりながらマーケティングリサーチもしました。
そして数年前に上層部から「経営側としてやってみないか」と声をかけてもらいました。正直迷いましたが、誰にでも声がかかるわけではないし、きっと期待もしてくれているのだと思い、引き受けることにしました。いざやり出してみるとこれが面白くて、かなりやりがいを感じています。
Q.どのような働き方をされていますか?
必ずしもオフィスに出勤する必要はなくて、テレワークなどもできます。私も色々な場所でお客様と打ち合わせして、途中でコワーキングスペースやカフェ等に入ってメールチェックなどをして、また打ち合わせに行く、という動き方もよくしています。
社員は3人いますが、実は多くがGiFFTの仕事だけをしているわけではありません。パラレルワーカー(本業を複数持っている人のこと)という形で、「この仕事がメイン」ではなく「どれもメイン」みたいな働き方ですね。鹿児島でこういう会社は多くはないかもしれませんが、それぞれ自分のやりたいことをしながらGiFFTの業務をするという形でも全く構わないと思っていて、自由な働き方ができるようにしています。
Q.社員の方で県外出身者はいらっしゃいますか?
私も含めた4人中3人が県外出身です。県外出身者をあえて採用しているわけではなく偶然ですが、だけどもう“鹿児島人”ですね(笑)。鹿児島や県外出身でも海外出身でも、仕事と人がマッチすれば出身地は関係ありません。
Q.鹿児島でIT関連の仕事をするメリットはなにかありますか?
鹿児島もそうですが、地方ではITの導入が進んでいない業界や事業者さんがまだまだ多いので、ビジネスチャンスがあるのではないかと思っています。
生成AIの導入支援に関しても、全国系の事業者さんはいますが、鹿児島は少なく、うちは結構珍しいかと思います。自社にIT担当がいる企業で、生成AIを取り入れているところは県外の事業者に依頼して導入をしていることもあるかと思います。ただ、IT担当がいない企業も非常に多いので、そういう企業とローカルでつながって支援に入っていけるのは鹿児島でのメリットになるかもしれません。競合が少なく、マーケットがあるっていうところですね。
導入が進んでいない背景としては、企業があまりITの必要性を感じていない=顕在的ニーズになっていない実情があるかと思いますが、今後企業側に気づいてもらえれば、ニーズの掘り起こしになって、お仕事に繋がっていくのかなとは思っています。
Q.お仕事をするうえでのモチベーションを教えてください。
鹿児島という地方の企業を盛り上げたり、貢献したりできることはモチベーションになっています。企業向けのIT支援をすることで、今後の収益や従業員の幸せにもつながっていくと思うので、とてもやりがいを感じています。
そして、GiFFTの社員の幸せがあってこそお客様の幸せがあると思うので、社員みんなの幸せをイメージして実現させていくことがモチベーションにもなっています。
弊社のビジョンとして、「生活や仕事、ビジネスなどに必要不可欠な存在となる」ということを掲げています。鹿児島の皆さんの生活に何かしらの形で関わって、「このビジネスがないと困る」という存在を目指しています。
Q.御社の強みは何でしょうか?
一番の強みは自由な働き方ができる環境を整備して、新しいチャレンジができることだと考えています。私はGiFFTの社員をパートナーだと思っています。お客様もビジネスパートナーだと考えています。こういったフラットな関係性でいられることや、思いや方向性が同じであることも自由な働き方につながっていると思います。
お客様に対する強みを挙げると、「最大利益を最適解で提供する」ことです。決まった商材を決まった形で提供する事業者が多い中、一長一短のある商材がお客様にとって「本当に最適解なのか?」を一緒に模索することを意識しています。
とてもコミュニケーションコストがかかるやり方ですが、IT課題を根本から解決していくためには必要なことです。多種多様なニーズに対応できるように、私たちも日々勉強し選択肢を準備しておかないといけないですが、お客さまの満足度や、これからの管理のしやすさを重視し、より良いサービスを提供するように心がけています。
Q.最後に、今後の目標やビジョンについて教えてください。
事業を拡大してしっかりと利益を出して、継続していきたいです。我が社の継続的な事業運営がひいてはお客様のメリットにもなると考えています。サービスを安定して提供できるように、企業として成長していきたいと考えています。
10年後を想像してみると、新しい技術や生成AI、そしてビジネスチャンスが生まれている可能性が高いです。その流れに対応し鹿児島県だけでなく全国にも展開して、経済発展に貢献できればと考えています。
聴き手:KADAI INFO 今村南風音