【クリエイターズトーク vol.12- 合同会社ヤマモトカウンシル】
左:小林史和さん 中央:山本貴政さん 右:中嶋愛さん
公開日時:2025/01/24
熊本県生まれ、幼少期を岡山県で過ごし中学3年より横浜・東京で暮らす。2024年春に鹿児島に移住。エディトリアル&プロデュースオフィス「ヤマモトカウンシル」代表。10年間ほど東京・下北沢で音楽レーベルを運営。その後、フリーランスを経て2013年にヤマモトカウンシルを設立。書籍、雑誌、企業・行政のパンフレットなどの編集・執筆、YouTube番組のディレクション、さまざまな案件のロゴやキービジュアルのアートディレクションを手掛ける。また、これまでに編集者・ライターとして1,000件近い取材現場をこなしてきた。近年の主な仕事実績は川崎市/川崎市文化財団の「かわさきジャズ」、日本レコード協会機関誌『THE
RECORD』、株式会社PARCOエンタテインメント事業部/音楽事業部のフリーペーパーやYouTube番組、阪神コンテンツリンク「Billboard
Live
YOKOHAMA」といった案件のほか、集英社、ポプラ社、日経BP、WAVE出版などの書籍、『野球太郎』『昭和40年男』などの雑誌の編集に関わる。
https://yamamotocouncils.com/
神奈川県横浜市で生まれ育つ。東京の大学を卒業後、出版社へ就職。フリーランスを経て世田谷区世田谷に合同会社ヤマモトカウンシルを設立。2024年に鹿児島へ移転&移住し、出張とリモートを組み合わせて東京の仕事を継続中。食、料理、暮らし、住まい、デザインなどのライフスタイル系の書籍やビジネス書の編集をメインに、広告やWEBの原稿執筆などもおこなう。日本レコード協会の機関誌『The
Record』や、川崎市文化財団主催の「かわさきジャズ」のキービジュアルやパンフレットの制作にも長年携わり、企業や行政の制作物のディレクションも多数。愛犬飼育管理士とAPNAペット食育士1級取得者でペット関連の仕事も少々。
https://yamamotocouncils.com/
小林:こんにちは鹿児島クリエイティブライフです。
この番組では鹿児島市のクリエイターの移住促進の一環としてすでに鹿児島市に移住したクリエイターの方々や市と関連を持つクリエイティブな方々に色々とお話を聞いていく番組です。進行の小林です。よろしくお願いします。
今回のゲストは、今年のゴールデンウイークに東京から鹿児島に移住してきた、ほやほやなお2人にお越しいただきました。よろしくお願いします。
山本・中嶋:よろしくお願いします。
小林:お2人の自己紹介をお願いします。
山本:ヤマモトカウンシルという会社をやっております山本貴政です。生まれは熊本、3歳から14歳まで岡山で、その後は東京の方に住んでいます。53歳です。
中嶋:合同会社ヤマモトカウンシルの中嶋愛です。出身は横浜です。住んだことがあるのは横浜と東京のみで、初めての地方暮らしが鹿児島という経歴です。仕事はいま山本と一緒に編集やライター、あとはディレクションをやっております。
山本:あと困ったことがあった時にどうしようっていう仕事をですね、何でも相談乗ってやってます。
中嶋:なんか駆け込み寺みたいになっているところがありますね。よろしくお願いします。
■今の仕事について
小林:駆け込み寺ってどういう困りごとがあるんですか。
山本:例えば、会社からこういう新しいプロジェクトを起ち上げてやれって言われたんだけど、どうにもよくわからないとか。
中嶋:あとは例えばこういうマニュアルを作りたいんだけど、どういう風に作ったらいいのかわからないけど、やれる?とか。
山本:かっこいいポスターを作りたいけどイメージが全くないと。
中嶋:アイデアがないところから、一緒に作ったりすることもありますね。
山本:コツコツ話を聞き出して、作っていきます。
小林:まあデザインとか編集とかライティングとかディレクトとか。
中嶋:そうですね。あとはお店の看板とかを作ったこともあります。
■鹿児島に移住したきっかけ
小林:色々楽しそうですね。じゃあそんなお2人が今、鹿児島に本当に今年のゴールデンウィークに引越してきたところですけども、どうして鹿児島に移住されたんでしょうか。
山本:そもそもでいうと、自分の両親が35年ぐらい前に鹿児島に仕事の都合で移りまして、今定年して元気に暮らしてるんですけど、鹿児島も気に入ったということで、姶良市に平屋を買って住んでいます。(両親が)鹿児島市で働いてたときに、ちょくちょく遊びに行くうちに、食べ物も美味しい、温泉もいっぱいある、あとまあなんか大らかでまっすぐなところがあるし・・・だから気に入ってて、いつか行こうかなと。
小林:じゃその頃は親御さんと一緒にというわけじゃなく、もう独立していらしたんですね。
山本:そうです。自分が大学生ぐらいの時に親が移ったんで。
小林:その時もびっくりしたんじゃないですか。
山本:当時は家から大学に通っていたんですけど、1人暮らししてる友達が楽しそうでしょうがなくて。羨ましくてバイト代で自分も1人暮らしを学校の傍で始めてて、寝てたら母親から電話がかかってきて、「お父さんとお母さん鹿児島行くから家帰ってらっしゃい」みたいな。そういう自由な2人でしたね。
小林:すごい!なかなかいいきっかけですね。
山本:ちなみに両親はその時僕が住んでたアパートどこか知らないっていう(笑)
■鹿児島の印象と移住するときに困ったこと
小林:(笑)でも愛さんは鹿児島は初めてで暮らし始めたってことなんですよね。
山本:そうですね。遊びに来たことは何回かありましたけど。
小林:最初に来たときはどんな印象でしたか。
中嶋:来た時は人がすごく大らかな感じで、あとは風土というか、土地がすごく広いし、時間の流れもゆったりしてるし。それと、とにかく食べ物が美味しいっていうのが私にとっては最大の魅力でしたね。
小林:でも東京で仕事をしながら、鹿児島に引越す準備とかしてたと思うんですけど、結構大変じゃなかったですか。家を決めたりとか。
山本:家は大変だったね。
中嶋:大変でしたね。移住の相談をしてた鹿児島県とか鹿児島市の方から「大変ですよ」とは言われてはいたんですけど。特にうちの場合は条件として犬がいたので、ペット可の物件っていうのは、やっぱり東京でも元々すごく少なくて大変だったので想像はしてたんですけど。想像以上に物件は少なかったなっていう印象ですね。
山本:それと、できれば会社の法人登記もできる家を探してたんでその条件が重なるとさらに家がなくなってって。
小林:いろんなフィルターを通してそうなるんですよね。
中嶋:そうですね。多分条件的にはうちほど厳しい条件はないかもしれないので、他の方はきっともう少し探しやすいと思います。例えば法人登記もしないで、ペットもいなければ物件は多分すごくあると思うんですよね。だから普通の人よりは家探しが結構大変だった方かもしれない。
山本:ちなみに柴犬の名前はトラで。男はつらいよの寅さんから。葛飾生まれ。
小林:もしかしてこの帽子は寅さんイメージの・・・
山本:これは田中帽子店という宮崎駿さんのスタジオジブリの「風立ちぬ」に出てくる帽子屋さんのモデルと言われてるところのです。
小林:男はつらいよがお好きなんですね。
山本:好きです。もし女の子の柴犬を飼うんだったとしたらさくら。
■鹿児島に暮らしてみて
小林:(笑)そんな感じで無事に家が見つかって、実際に引っ越してきて今どれぐらいですか。
中嶋:ちょうど3ヶ月ですね。
小林:この3ヶ月暮らしてみて何か感じたこととか、これはちょっとびっくりしたみたいなことってありますか。
山本:スーパーが安い。びっくりしました。あと美味しい。野菜も黒豚も黒毛和牛も安いし。からたけって言うんですかね?細長いたけのこが4つ入って150円とか。テンション上がって、いっぱい作ってます。
小林:東京に比べたら、価格もそうですし味とかもそうですよね。
中嶋:味もいいですよね。すごく新鮮だし、野菜とかは特にすごくエネルギッシュですよね。スーパーで買うことが多いんですけど、生産者さんの作られた野菜とかを売ってるコーナーがありますよね。ああいうところで結構買うようにしてるので、結構同じキュウリとかでも形が違ったりとか、すごい太かったりとかもあるし。で、味も結構違うのでそれを楽しんでます。大葉とかもそのまま枝についたままで入っているのもあるし、すごい大きいものもあるしとかで、結構いろんな種類があって楽しめてますね。
小林:名前付きでこう売ってたり。たまに推しの生産者さんとか見つかると嬉しいですよね。
中嶋:ですね。生産者さんがちょうど来て品出ししてる時とかだと、せっかく来てくれたしってことでそこで買ったりしてますね。
山本:あとは、焼きそばとかチャンポンの麺が1袋20円とか、あれは衝撃を受けました。
中嶋:本当に衝撃を受けました。半額になったりしますよね。
小林:なんでしょうね。物価高騰って言ってますけどね。
中嶋:麺は本当にびっくりするぐらい安くないですか?
小林:暮らしの面では特に不自由しているというか、まあ東京と比べてしまうと色々と違うこともあると思うんですけど。
中嶋:まあ、あえて困ってることといえば、例えば苦手なのが虫とかの問題ですかね。やっぱりどうしてもありますよね。
■移住後の仕事や人とのつながり
小林:そうですね。まあ地方に行けばどこでも一緒かもしれないですよね。南の方はちょっと虫のサイズが大きめですけどね。仕事は、今東京でやってた仕事を引き続きこちらでもリモートでやっているイメージですか。
山本:ですね、リモートで。今は100%そうです。年に何回か出張して、今月は2回行ったんですかね。今は鹿児島市のいろんな方と会って、一緒に仕事を作るべく。
小林:じゃあ今からそのまま鹿児島での仕事をちょっとずつ増やしていくというか開拓していくような段階って感じですかね。
山本:そうですね。元々いずれ移住しようかなと思ってはいて、イメージとしては60歳過ぎて、、年取ってからと思ってたんですけど。やっぱ年取ってからだとあんま面白くないなと思ったので、体も頭も元気な内に。こちらの方と一緒に仕事も通じて交流できればなと。東京では仕事を通じて仲間がいっぱい増えたので。
中嶋:結局東京の時も、仕事をしてる人はほぼみんな仲間っていうか友達みたいな感じの仕事の仕方だったので。仕事を通じて人と親しくなるみたいなことをずっとやってきたので、鹿児島に来て、今は東京の仕事しかできないですけど、ゆくゆくは鹿児島の人たちと仕事を通じて繋がっていきたいなと思ってます。
小林:そうですね。特に鹿児島だと人との繋がりみたいのはとても個人的には大事というか。いろんな人がいろんな人を紹介してくれたりとか、今からどんどん広がっていくような気がします。
山本:はいありがとうございます。そうなるといいなと。
中嶋:頑張ります。
■今後、鹿児島でやりたいこと
小林:今、ちょっとだけお仕事の話になったんですけど、今後鹿児島でこういうことやりたいなとか、仕事じゃなくてもいいんですけど、こういう暮らしがしたいなみたいなビジョンはありますか。
山本:やっぱり、本とか雑誌を作るのが好きなんで、いっぱい作っていきたいですね。とはいえ鹿児島は出版社そんな多くないので…考えずに見切り発車で来てる感じなんですけど。いやまぁ全然構わないんですけど。あと鹿児島は魅力的なものが多いので、特産物にしろ食べ物にしろ焼酎にしろ、そういったものを我々が今まで培ってきた経験なりノウハウなりで新しい魅力として受け取ってもらえて、パッケージなりリブランディングなり、まあそこまで大きなことは言わないですけど、何かしらお手伝いできるような、頼りにしてもらえるような関係が作れると嬉しいなと思ってます。
■夫婦で同じ仕事をしていて意見がぶつかった時は?
小林:多分いろいろと頼りにされそうな感じがします。すごく個人的な質問なんですけど、ご夫婦で同じようなお仕事をされているじゃないですか。なんか喧嘩したりとか意見のぶつかりあいとかってありますか。
中嶋:もちろんそれはあります。それは東京にいる時もこちらに来ても変わらないですけど、向いている方向性は似てるので、それはしょうがないかなって。あと、やっぱり物を作る人たちなのでどうしても意見が強いし、お互い信念みたいなのも強いのでぶつかることはありますけど、大事にしてることとかがすごく似ているので、まあそこはお互いに信頼をしてるところではあるから、喧嘩はするけど仲直りをして前に進むって感じですね。
山本:おはよう、ありがとう、いただきます、ごちそうさまでしたと。
中嶋:それしかないですね。
山本:最近、人が自分に言ってきてくれることは、多分正解だなって思うようになってきて。若い頃は我を貫きがちじゃないですか。こっちの服の方が似合ってるよとかっていうのは、多分、人が言ってることが正解なんだと思って。だから最近服屋行ったらすごい試着して、どっちがいいですかねって。
■鹿児島市に興味があるクリエイティブの方にひとこと
小林:(笑)そうやって前に進めていくことになるんですね。この動画を見て、鹿児島に興味を持つクリエイターの方とか、すでに鹿児島に移住して、私も移住してきたばっかりなんだとかっていう人もいると思うんですけど、そういう方に向けて何か一言ずつメッセージがあれば、お願いします。
中嶋:そうですね、私たちもまだ来たばっかりなのでそんな大それたことはちょっと申し上げられないんですが、3ヶ月経っての実感としては、来てよかったなって本当思いますし、そのなんて言うんですか、やっぱり環境を変えるってことがすごく自分にとって刺激的で。やっぱり発想とかいろんなものも豊かになるし、体がすごい元気になりましたね。多分暮らし方が全然違うので。鹿児島に来てから家にいても1日とにかく体を動かしているような感じもあって、暮らし全体の中で生きてるみたいな感じがすごくするんですよね。
今も東京のお仕事をしてるので、仕事の内容は何も変わらないんですけども、やっぱり1日過ごす中で、ああ今日も頑張ったなみたいな達成感があるし、今日もビールがうまいみたいなことはやっぱり東京よりも感じるし。まぁ、暑いのもありますけどね(笑)
とにかく毎日の充実感みたいなのがすごくあるから。もちろん不安はありますし、まだ慣れないのでいちいち右往左往したりもするんですけど、それも含めてすごく楽しんでるし、刺激的だし、とにかく面白いですね。鹿児島はすごく面白いなと思います。会う人会う人、皆さんとにかく親切だし、なんか来たばっかりの時は、全然知り合いがいないから寂しいかなと思ってたんですけど、結局お店に入るといらっしゃる方とかがすごい話してくれるし。こっちも来たばっかりなんですよみたいな感じだと、余計に喋ってくださって、心配してくださって、スーパーの情報とか美容室の情報とかみんなすごい丁寧に教えてくれて。だから、大丈夫だと思って。ちょっと誰かと話したくなったらお店入って話すみたいな感じにしていれば全然寂しくないし。だから鹿児島に限ってのことなのかわからないですけど、そういう意味では移住する場所として来てみて、まあ行くのが不安だなとか思ってる方も多いと思うんですけど、鹿児島は割とすごく包容力があるし、とにかくもう人が優しいから皆さん安心して、1度旅でも来てみてその鹿児島の魅力を感じていただいて、もし気に入ったら是非移住とかそういうのも考えてみたらいかがかなと思います。
■鹿児島へ移住することへの周りの反応は?
山本:東京で最後の方に携わって、鹿児島でフィニッシュさせた仕事なんですけど、結構ベテランのパンク系のアーティストに取材があって。取材の最後に鹿児島行くんですよっていったら、自分が全国ツアーで回ってきて鹿児島がいかにいいところだったか、今もいろんなみんなが応援してくれてる、そういう場所だから行けば分かるぞ。と熱く押されましたね。
中嶋:割と皆さんその東京の友達とかにも行くんだみたいに言うと、まあ大体皆のけぞりますけど、のけぞりつつめっちゃ羨ましいみたいな感じになってました。
山本:東京だと2拠点とか、ちょっと別荘地ってなると長野の方とか熱海、伊豆とか房総とかに行く人が多いんですよ。でもね、私たちは鹿児島だから。
中嶋:鹿児島って言ったら突き抜けすぎてるって言われました。面白いって言われましたね。
山本:送別会が終わんなくて…壮行会が引っ越しの準備と重なって。鹿児島に行っても東京の仕事をやるから、仕事はとまらないわけじゃないですか。引っ越しの手続きやりながら、ずっと壮行会が続いて、最後は本当に倒れるんじゃないかなっていう。土日とかは壮行会がダブルで入ってて、昼・夜とかで。
中嶋:結局それが移住までのゴールだと思ってたので、それも頑張ろうと思って。皆さんせっかくやってくださっているので、頑張って走り抜けてゴールまで来たら、今度はすぐ鹿児島に人が来ました。あ、終わらないんだこれ、と思って。あれがゴールと思っていたら、今度は人が来て、そっかみんな今度は鹿児島へ来て飲むんだねと思って。いいことですけどね。みんなどんどん来てくださっていいんですけど、あ、これ飲みは終わらないんだって。
小林:今からまだまだ来そうですね。
中嶋:魅力を知らない人たちも、私たちが来たことによって、九州行ったことなかったみたいな人も割と来てくれたりとか、行ってみようって思ってくれるみたいなので。そういう個人レベルでも鹿児島に来てくれる人が増えたらすごく嬉しいですし。あと割とみんな鹿児島の天気をめちゃくちゃ気にしているみたいで。あるあるかもしれないんですけど、すぐ連絡が来るっていう、あの雨が強いとか言うとみんなが連絡くれるから嬉しいなと思います。今まできっとね、東京の人は鹿児島の天気とか見てなかったと思うんですけど、常にみんな端っこの鹿児島の天気を気にしてくれてるみたいです。
小林:めちゃくちゃ愛されてますね。
山本:うん、愛されなくなったら終わりだと思ってます(笑)
小林:ぜひ鹿児島に来た際にはヤマモトカウンシルのお2人のところに遊びに行ってください。
山本:お願いします。
小林:今日はお2人、ありがとうございました。
鹿児島市ではクリエイターの移住促進に力を入れています。関連イベントやクリエイターへの補助制度など詳しいことは、「かごしまクリエイティブライフ」と検索していただければ色々と情報が出てきますので是非検索してみてください。では今回は以上となります。また次回お楽しみに!